ココとマシロ


「……」


マシロは悩んだ。直哉にこれからの事ーー自分がどうするつもりでいるかという事を、話すべきなのだろうかと。

もし直哉に話をしたとして、直哉はその後どのような行動をとるだろうか。邪魔になるような事をされるのは絶対に避けたい。では、邪魔になるような事とは一体どのような事だろうか。一番避けたいのはココが下す最後の決断を直哉自身の意見から違うものへと曲げられるような事…だろうか。

マシロは直哉をじっくりと眺める。

あんなに気に入らなかった奴にこれからのココを任すなんて、何が起こるか分からないものだなと心の中で苦笑する。そうか、これからを任すのか。もし僕が居なくなったとしたなら…いや、きっと僕は消える。ココの前から姿を消すことになる。ならば、その経緯を理解する人間がいた方がココのためになるだろう。


マシロは、ついに直哉へ伝える決心をした。



< 230 / 258 >

この作品をシェア

pagetop