ココとマシロ
そんな他人事のマシロをよそにバタバタと慌てて着替えを終えたココ。しかし改めて見渡してみると、重要なアレが見当たらない。アレが無いと元も子もない。
「ど、どうしようマシロ!」
「次は何?」
「ココの、ココのランドセルが無い!」
「これじゃあ学校行けないー」と、ココは泣き出しそうになる。どうしよう、どうしよう、時間も無いのに!
しかしそんなココを「え?」と、マシロはキョトンとした顔で見返した。
「ココ、五年生になったんでしょ?ランドセルはいらないんだよね?」
首を傾げるマシロのその言葉に、ハッと我に返ったココは「そうだったー!」と、一瞬にして目を輝かせた。
「そうだった!ココ、高学年だった!」