ココとマシロ
そして急にピタリと足を止めたココは、「大変だ!ココ、考えてなかった!」と、目を真ん丸くして見て分かる程に慌て出した。
そんな普通じゃないココに対してマシロが至って冷静に「何を?」と尋ねてみると、今の今まで慌てていたココはどこか力ない、縋るような瞳でマシロに目を向ける。
「どうしようマシロ…ココ、証明しなきゃなんないんだったよ…」
「…何を?」
「ココは嘘つきじゃないって事…どうすれば分かって貰えるかな…」
「はぁ?」と、思わずマシロの口から声が出た。
「何がどうしてそうなったのさ」
なんだか怒っているようにも呆れているようにも見えるマシロの様子。そんなマシロにココはそれまでのいきさつを大体で説明した。
黒いのが見えるなんて信じられないと言われて、嘘つきは嫌いだから友達になれないという事になり、だったら嘘じゃないって証明しなきゃ!となったという事。そして今回のこの人にはちゃんと信じてもらいたい、もらえるのではと思っているのだという事。
こんな感じなんだよと、ココは全て言い終えた時、マシロの口からは「はぁ」と、今度は溜息がこぼれ落ちていた。