ココとマシロ




ーー次の日。直哉が教室に入ると、入ってすぐのロッカーの前、そこにすでにココの姿があった。


「お?篠宮サン早いね!」


思わず声を掛けたのは挨拶のためでもあったが、それ以上にココの様子が気になったからでもある。


「うん!マキ君おはよ!」


ココは視線を直哉へと向ける。が、すぐにそれは戻された。

ジーッと一点を見詰めていながらもソワソワと落ち着きの無いココの様子は、まるで待てと命令された、主人の帰りをウキウキと待つ犬のようだった。あぁ、篠宮サンは小さいから仔犬にピッタリだ、なんて心の中で直哉は密かに思い、頷いたりする。


「笑華がどうかした?」

「え⁈ 」

「笑華になんか言いたいんだろ?」

「えぇ⁈ 」


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