ココとマシロ


この話の流れからしてマシロっていうのは人なんだなと、直哉は推測する。前の学校の友達?うちの学校にマシロなんて奴いねぇよなぁ。

色々と考えを巡らす直哉は、ココを見た。きっと笑ってる、そう思った。――でも、


「マシロはね、ココの大事な人なの」


ココは確かに笑っていた。笑っていたけれど…それは、初めて見せた表情だった。

ココが見せたのは、温かくて優しくて柔らかい、そんな愛情に溢れる穏やかな笑顔。

そのマシロという人を思い浮かべるだけで温もりを感じられる、それくらいココにとって大事な人なのだという事がその笑顔からすぐに伝ってきた。


「マシロは、いつもココの傍に居てくれるんだよ」


そんな表情を見せながら、あまりにも嬉しそうに、幸せそうに言うココに、直哉は思わず呆気にとられる。


「……篠宮サン、それって…、」

「朝から仲良くやってんねぇ、二人共」

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