ココとマシロ


それには “突き飛ばす”という程の強さは無かったが小さなココはよろけてしまい、そしていくらココといえど、ここまでされれば気がついた。


あれ?ぶりっ子とか調子に乗るなって、怒ってるのってココの事だったんだ…!


「そ、そんな事ないよ!」


かわいこぶってるつもりもなければ調子に乗ってるつもりもないココにとって、そう答えるのは当たり前の事だ。しかし、美波がそれで満足する訳が無いのも当然の事で。


「あのさ、分かってる?篠宮さんは同情されてるだけなんだよ?」

「同情?」

「あぁやっぱり分かってないんだ!可哀想だよねぇ〜」


すると周囲の女子らもそれに同調し、「だよねぇ〜」と、馬鹿にした笑みをココに向ける。

普段、温厚でちょっとの事では何とも思わないし、気づけない事も多々あるココ。しかし流石のココでも…これには、腹が立った。


「どうして!そんな事ないもん!ココは可哀想じゃない!」


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