ココとマシロ
。。
皆が自然と声のした方へと目をやる。
聞き覚えのあるその声の主は、腰に手をあて、睨みつけるようにこちらを見ていた。
「ココちゃん一人に何人いんだよ。やり過ぎだろ美波」
高い位置で揺れるポニーテール。スラッとした体型。
「エミカちゃん…」
ココは名前を呟いた。しかし、笑華はそれに反応を示さなかった。
すると、笑華の登場で手で取るように分かる美波の動揺。「な、何よ、何しに来たのよ!」なんて強く出てはみるもののそれがただの虚勢である事は、よく分かった。
それを見て笑華は溜息をつく。
「あんたと違っていちいち直哉にチクったりしないっての」