ココとマシロ
つーか、勘違いしてるみたいだから言って置くけど。美波との距離を一気に詰めた笑華はそう前置きした上で、告げた。
「あたし、嘘つきよりも卑怯な奴の方が嫌いなんだよね。特にあんたみたいな女々しい奴」
「腹立つからあたしの前でそうゆうの止めてくんない?」美波だけではなく、ぐるりと一周、取り巻き達にも言った笑華の表情に、もう笑顔は見られなかった。
ジリッと、周囲の女子が笑華から一歩足を遠ざける。
「…い、意味わかんない!卑怯?あたしが⁈ 」
そんなどう見ても劣勢の状況に、もう話にならない!と周囲の女子を引き連れてその場を離れようとする美波。
その後ろには、大きく成長してしまった影も、もちろん一緒だ。
…ダメだ、このまま行かせちゃダメだ…っ!
「待って!」
それを見てしまったら、自然とココは美波を呼び止めていた。