ココとマシロ
「……ミナミちゃん、ココのせいでごめんね」
もう一度呟いたココの言葉を、美波はもう突っぱねたりはしなかった。
「ううん、こっちこそごめんなさい……どうかしてたみたい」
そう言うと、バツが悪そうにした美波は「じゃあね」と告げ、今度こそそそくさと立ち去っていった。
そんな何も問題なさそうな美波を確認して、ココは大きく安堵の溜息をついた。
そんな一通りの光景を――笑華は瞬きを忘れたかのように、しっかりと見開いた目で眺めていた。
「……あ、エミカちゃんも…ごめんね」
笑華の存在を思い出したココが、謝罪を口にする。そして「ありがとう」と、弱々しい小さな声で言った。
すると笑華は「いや、そんなのどうでもいいんだけど…それよりさ、」とココを真っ直ぐに見据えて尋ねる。
「今、何したの?」