ココとマシロ


「ね、ねぇマキ君、なんで?」

「ん?」

「なんでココが気になるの、分かったの?」


直哉に追い付いたココは、首を傾げて直哉に尋ねる。すると直哉は、「そりゃあ分かんよ」と、ココを見て答えた。


「篠宮サンは顔に書いてあるから」

「え、顔?」

「あと鈴木の様子も可笑しかったしさ」

「え?そうなの??」


ここでもやっぱり気が付かないココ。そんなココに、いくら知り合いじゃなかったとしてもあの反応には違和感を感じるだろうと、直哉は心の中で突っ込む。

すると直哉のそれにも気づかないココはのんきに「へぇ〜、そっかぁ」と感心した。そして彼女は独り言のように呟いた。


「マキ君も影見えるのかと思ったよ」


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