ココとマシロ


「……え?」


思わず、直哉は反応に遅れる。

しかしココはそれに気がつかない。だからその意味をココは知らない。


「だってマキ君ってすぐ分かるんだもん。ココが考えてる事」

「………」

「あ、でも鈴木さんのも分かるんだよね。だったらそれって、やっぱり見えてるんじゃあ…、」

「いや、篠宮サン」

「?」

「影が有ろうが無かろうが、篠宮サンも鈴木もカナリ分かりやすいから」

「?、そうなんだ。すごいねマキ君」

「………」


そして直哉が「あのさ、篠宮サン」と、口を開いたその時。


「な、――無い!!」


決して大きくは無い必死な声が、二人の耳に飛び込んで来た。


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