彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった
「だって、東京なんか行ってモデルなんかになったら、祐輔の周りにはイイ女がいーっぱいよってきちゃうワケで。あたし自身ないよ…」
あたしの言葉に、祐輔はますます険しい顔をしてた。
「はぁ?意味わかんねえし。」
甘い顔とは正反対の、冷たい言葉が聞こえる。
それでもあの時のあたしは、止められなかった。
きっかけは、修学旅行で東京に行った時。
祐輔はモデル事務所にスカウトされた。
最初は『興味ねぇ』なんて言ってたけど、高校三年の夏、彼が東京の大学に進路を決めて、モデルの仕事もしてみようと思うと話してくれた。