『果たしてオタ女は、リア充イケメンと恋に落ちるのか―目黒沿線 恋模様―』
佳奈子は職場では、
事務が仕事の主体である為、
他社の営業社員と関わることは殆どないが、
一度だけ、会議室にお茶を差し出しに行ったときに
顔を見ることができた。
その時の衝撃は今でも忘れられない。
あるだけ女子社員が騒ぎ、お茶を汲みに行きたがるのも分かる気がする。

あんな理想の顔を間近で見れるチャンスは
少人数の合コンでない限り、
二度とない。
このチャンスをモノにしない手はないのである。

「ともちん、わたし、せめて普通に話せるくらいにはなりたいの。」

「うん、私もビッチの名に懸けて?キレイに化粧したげるし、話し方もレクチャーするから。
というか、まずは"普通に話せない"に対して克服するのは自意識過剰を捨てることだと思うよ。」

「ほう。」

「もうちょっと人と話すことに抵抗がなくなってきたら、
こう見せようとか仕草に神経ゆけるようにしてけばいんじゃん?
自意識過剰って悪い意味で使われると思うけど、
自分という存在の見られ方を知る上では
そーいうことも克服して武器にしていかなきゃだめだと思うけどなぁあたしは。」

「ははぁー」
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