『果たしてオタ女は、リア充イケメンと恋に落ちるのか―目黒沿線 恋模様―』
同じ25年、生きてきて、これほど仕事もプライベートも両立して楽しんでいる幸美と
知り合えたことは最高に良かったと思っている。

リア充の手本と言うべき存在を友達にもてたことは
佳奈子の薄っぺらい人間関係の中で唯一の誇りだ。

大げさだがそれくらいの信頼を抱いている。
男泣かせの悪女だろうが、
自分と仲良くなりだしたきっかけが
大学の授業の単位の為だろうが
学生という枠組みを越えた今でも繋がりが不思議と続いていた。
予定がないときに連絡が入り、
大学の最寄り駅である目黒にこうして集まり、
今も駅から学校までの通学路に位置する学生時代からの御用達のファミレスで
ガールズトークという名の作戦会議をしている。

女とはつくづくいい性別だ。
女2人でえげつない会話を展開しても、
きっと色恋の悩みを話しているのだろうと、いじらしい
華やかな雰囲気を醸せるのである。
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