『果たしてオタ女は、リア充イケメンと恋に落ちるのか―目黒沿線 恋模様―』
一期一会というのより、
一事が万事であると思うのだ。
人間はファーストインプレッションでだいたい全てが決まるという。
特に合コンと言う薄っぺらい出会いの場では
この次へのアタック前のトスの如く
きわめて慎重に正確に事を運ばなければならないような気がする。


幸美と別れ、数十分歩いたところに佳奈子の家がある。
メモの戦略に対して自分がどう動くか、BLで鍛えた妄想力を生かし、シミュレートを繰り返し家路についた佳奈子は、

先ほど紙ナプキンで書いた走り書きのメモを、
秋葉原駅のホームでこっそり剥ぎ取った『ろんりー☆』のアニメ宣伝ポスター横の
コルクボードに貼り付けた。

もし、夢は書けば叶うと言うのなら、
コレを寝る前に眺めてイメージトレーニングでもしてみようか。

そう心意気を決め、明日のスケジュールを確認すべく手帳を取り出した。
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