『果たしてオタ女は、リア充イケメンと恋に落ちるのか―目黒沿線 恋模様―』
パンパンと両手を鳴らし、
藤原佳奈子のマシンガントークに幕が降りた。

「かなっぺー、私は今、あんたの趣味を聞いただけなんだけど」
佳奈子の友人、友村幸美はもうげんなりと言った
ぐったりな疲れ具合で

ピアニッシモを一本取り出し、トントンと机に打ち出した。

「う~ん、ともとも~やっぱ私にはムリ!
話してても趣味の世界に突っ走っちゃうし、
初対面の人を前にしたらどうしていいか会話に困って…」

「で、だんまり決め込むんだよね」

「ん~…そう。だって気心が知れないとあんなことベラベラ話せないし」

「ほどほどでいいんだって。趣味は?とか聞かれてもベタでいいのよ。
男は昔から好みは古風な女性ってのがいっちばんウケがいいんだから」

「ほう。」
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