『果たしてオタ女は、リア充イケメンと恋に落ちるのか―目黒沿線 恋模様―』
「―…っぺ、かなっぺ」
ふと脳内世界に浸っていた為、幸美の一声に現実に引き戻された。
吸い殻に目をやると幸美はもう先ほどの
タバコを吸い終わっていたようだ。
かなり自分の世界に浸っていたらしい。

「ごめん、ともちん。」

「いや、別にかなっぺが自分の世界に逃避行するのはいつものコトだから別にいいんだけどね。
で、合コンは来週だっけ?」

「う~ん。合コンって言うのかな。
同期の子が、取引先の商社の人と仲良くなってそれで懇親会って形の飲み会」

「懇親会って名前の合コンでしょ?だって、あんたのトコからは女子社員しかいないんだし。」

「う、うん。そっか。」

合コンというものに何度か参加をしたことはあったが、
佳奈子の経験上、
まるで益というものが見込めないことは知っていた。
カワイイ子のカワイイ子による、カワイイ子の為の飲み会であるからだ。

お酒を飲ませ、どさくさに紛れてほろ酔いの女の子におさわりという
想像に難くない、つまらない茶番を散々見てきた。
そして、自分は泥酔しすぎた同期の尻拭い、もしくは精算係と
つくづく面倒な役回りなのである。
(あまつ、感謝された試しもない、貧乏くじを率先と引かされるポジションなのだった。)
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