ココカラハジマル
「え?なんで?」
彼は、そっと私を離れる。
時が止まって動けない。
『ごめん、でも人と関わるのはまずスキンシップ。教えてあげるよ、莉玖ちゃん』
微笑む彼をやっぱり綺麗だと思った。
でも頭がやっと動き出す。
「そういうことあんまりいろんな人にするのは、やめたほうがいいと思いますよ?」
『しないよ、そんなに誰にでもしないよ。』
冷静になってしまう。
ドキドキした胸をごまかすように。
「帰りますね…」
廊下を歩き始める。
『ごめん、ちょっと止まって?』
止まってしまった。
『友達はじめようよ。西宮 莉玖、』
何かが違う、私じゃないみたいに
コントロールが出来ない。
「いいよ。逢沢 要、」
暗くなった、廊下を歩き出す。