ココカラハジマル
振り替えって、カウンターに
向かってみることにした。
『ご注文は?』
「コーヒー飲めないので、コーヒー以外の何か温かい飲み物を」
『はい、かしこまりました。』
男は薄暗くてあまり顔が見えないが、
とても端正な顔立ちで
優しい声だった。
『はい、オリジナルココアです。』
「…どーも」
甘い香りの湯気。
そっと口を触れた。
熱いけど、ホッとして
甘いけど、キリッとして
ミルクが口に広がった。