*恋の味[上]*【完】


「真麻と真田って似た者同士よねぇ」

由良が、怪しい笑みを浮かべて言う。

「はぁ?どこがよ!あんなんと一緒にしないで!」

タラシと一緒とか、あり得ない。

雷斗なんか不機嫌になってるし。

「真麻って暁より真田の方が素だしてるかんじがするし、言い合いしてる姿とか彼カノ……「ゆ、由良!」

雷斗見てよ!あの、怒った顔見てよ!

「何よ?本当のこと言ってるだけじゃない」

あわわわわっ。

それ以上言わないでよー!

「へぇ〜、真麻は真田の方がいいのかー。ふーん」

素晴らしいキレ具合。

本気でキレてるとこより、笑ってキレてる方が怖い……。

「まーまーまー」

千年くんのなだめが上手いのか、雷斗はそれ以上言わなくなった。

「あ、あのー雷斗?」

「あ?」

どうやら、機嫌は直ってないようだ。

「私、雷斗好きだからね?」

「っ///(その目反則だろ)」

また顔が赤くなる雷斗。

「雷斗?」

「その顔、他にみせんなよ」

?何言ってんの?

意味わかんないし。

「暑いわね」

「うん、暑いね」

あ゛……、由良たちがいるの忘れてた。

見せるなって言ってたけど、見られちゃったよ。

どんな顔なの?

まさか、変な顔?!

「チッ、うぜぇ」

あーあ、また不機嫌になっちゃったよ。

私しーらない。


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