*恋の味[上]*【完】


「暁って短気ねぇ。世の中には“短気はそんき”っていう言葉があるの。知ってた?そんなにキレてたら、真麻離れてくわよ?」

由良って、ある意味最強。

怖いもの知らずだな。あと、毒舌ってゆーの?

間にいる私、ひやひやしてたまらないわ。

千年くんなんか、無視状態だしさぁ。

「お前うぜぇんだよ。こっちの関係に入ってくんじゃねぇよ」

「こっちの関係?見てるこっちが鬱陶しいのよ。話せば舌打ちや暴言。聞きたくなくても耳に入るわよ」

雷斗に言い返す人、初めて見た。

「ねぇ、もうやめ…「真麻は黙ってて」

由良様により、私の声が遮られました。

どうしよ……私、被害者だよね?完璧。

「ち…千年くん」

「ん?なに?」

そんな笑みで話しかけないでー!

ある意味怖いから。

「えっと……どうすればいいと思う?」

「さぁ?ほかっとけばいいんじゃなーい?」

なんつー能天気。

いや、天然なのか?

この際どっちでもいいや!

あー!どうしよーっ?!


< 102 / 260 >

この作品をシェア

pagetop