*恋の味[上]*【完】
「暁って短気ねぇ。世の中には“短気はそんき”っていう言葉があるの。知ってた?そんなにキレてたら、真麻離れてくわよ?」
由良って、ある意味最強。
怖いもの知らずだな。あと、毒舌ってゆーの?
間にいる私、ひやひやしてたまらないわ。
千年くんなんか、無視状態だしさぁ。
「お前うぜぇんだよ。こっちの関係に入ってくんじゃねぇよ」
「こっちの関係?見てるこっちが鬱陶しいのよ。話せば舌打ちや暴言。聞きたくなくても耳に入るわよ」
雷斗に言い返す人、初めて見た。
「ねぇ、もうやめ…「真麻は黙ってて」
由良様により、私の声が遮られました。
どうしよ……私、被害者だよね?完璧。
「ち…千年くん」
「ん?なに?」
そんな笑みで話しかけないでー!
ある意味怖いから。
「えっと……どうすればいいと思う?」
「さぁ?ほかっとけばいいんじゃなーい?」
なんつー能天気。
いや、天然なのか?
この際どっちでもいいや!
あー!どうしよーっ?!