*恋の味[上]*【完】
「おい、お前等なにやってんだ?俺がここまで連れてきてやったってゆーのに喧嘩か?馬鹿らしいことやってんじゃねぇよ」
現われたのは……エロ偽紳士。
真田のことだ。
たまにはその俺様も役に立つじゃないか!
ナイス!Mr.真田!
なんて、現実は甘くなかった。
「別に来なくてもよかったわ。上野がいるもの。それに、そんな荒々しい言葉遣いをするのであれば、執事の座下ろすわよ?」
どうやら、由良はマジギレらしく、かなりの黒いオーラ。
あれだ!油に火?
「真田。ひっこんでろ」
雷斗が女に、ここまでキレるなんて珍しい。
「ひっこんどく。執事ってかなり給料いいからな。下ろされるなんて勿体ねぇことしねぇよ」
さ……真田氏。
やめてくれ、引っ込まないでくれ。
私はどうすればいい?
こんな2人を黙って見てろってゆーの?
親友と彼氏の喧嘩を。
「ほんっと、話が通じない男ね。真麻、こんな男やめなさい?いい男、探してあげるから」
あんたは私の母親かっ!
「はぁ?お前聞いてなかったのかよ?俺の真麻に気やすく喋りかけんじゃねぇよ」
おいおい、女にムキになんなよ。
てか、私は私のものだよ。
由良の言うとおり、ほんと短気。
「お前、二度と俺の視界に入ってくんなよ」
「そんなの知らないわよ。視界に入れないどけば?」
いつまで続くの?この喧嘩。