*恋の味[上]*【完】
あれから1時間後。
なんとか収まって、やっと安心感がもてた。
かといって、仲直りした訳ではない。
「雷斗……暑苦しい」
雷斗といえば、私にいらないことばっかしてくる。
今は、私が砂の城を作ってるとこに抱きついてきて、軽く寝てる気がする。
由良は、千年くんのおかげで機嫌よくなり、また2人でラブラブモード。
付き合っちゃえばいいのに……。なんて思う。
真田氏は、またまたハーレム状態。
「ねみぃ」
雷斗くーん。家で寝ようよ。
「一緒につくる?」
私は、親切に聞いてみた。
「だりぃ」
……あらそうですか。
いつも3文字なんですね。
今度から、私が3文字で返してやる。
「ねみぃんだけど」
「ふぅん」
「いつ帰んの?」
「さぁね」
ふふっ、どうだ!
すると、雷斗の顔が近づいてきた。
キ……キスぅ?
ダメダメ!ここは公共の場。
ダメよ、我慢しなさい。雷斗。
“コツン”
コ…コツン?
気がつけば、額に額が当たってた。
「熱でもあるんじゃねぇの?」
は?えぇ、ありますよ。
体温は熱ね、うん。
めんどくさいけど、こっちの方がカップルっぽい。
幸せだなぁ……。