*恋の味[上]*【完】
すでに服に着替えていた、雷斗と付き人さんには待ってもらい、私は普段着に着替えて、外車様に乗った。
「申し訳ない」
電話してるときに着替えればよかったんだ。
いや、そもそも海には入ってない。
私も雷斗も。
水着……必要あったのか?
「由良に連絡しないと!」
「もうしておいた。あいつらは真田と帰るらしい」
ほっ。よかった。
私から言ったら、いらんことまで言ってきそうだもん。
「今日は楽しかったですか?」
「特に何も」
執事さんの期待していた言葉を言えなくてすまない。
特に何もしてないんだ。
行く前と変わったとこは、肌の日焼けと疲れのみ。
ま、綺麗な海が見えたからいっか。
いい思い出ができたな。なんて思いながら、私は深い眠りについた。