*恋の味[上]*【完】
風呂からでると、生活に必要なもの以外おいてない、シンプルなリビングのソファーで寝ている雷斗。
よく見ると、寝顔まで格好いい。
こんな美形さんと私なんかが付き合ってるんだから、世界もおかしくなったもんだよね。
しばらく見ていると…
「何?」
「起きてたんだ」
もっと人間観察したかったなー。
って、私変態?!
「髪乾かせよ」
「当たり前」
何気優しいもんなぁ。
俺様8割優しさ2割ってとこ?
私はドライヤーをしまっている引き出しに向かった、その時。
“グイッ”
「……すぅ…」
っ!
いきなり腕を引っ張られて、抱き締められた。
うん、抱き枕状態。
髪乾かせって言ったのに、止めるなんて矛盾してる。
てか、この人風呂入らなくてもいいの?
いけないよね。
「らーいーと!おーきーて」
不機嫌になるのを覚悟して、俺様雷斗を揺さぶる。
「……チッ」
今、舌打ちしたよね?
こっちは親切にしてやったのに。
雷斗は立って、準備していた着替えをもって、風呂に向かった。
どこまで俺様なんだよ。