*恋の味[上]*【完】
夏祭り<1>
時は流れ、もう8月の終わり。
つまり、夏休みも、もう終わる。
あの海の日から、特に変わったことは……あった。
千年くんと由良が付き合うことになった。
あの時は、びっくりしすぎて、顎外れそうになったなぁ。
あとは、お母さんのお見舞い行ったり、雷斗と庶民デートしたり……。
あ、そうそう。
今日は、夏祭りの日。
いつものメンバー、雷斗・由良・千年くん・私の4人で待ち合わせ。
私も由良も浴衣の気付けできないから、できるという期待を持って、お母さんのいる病気に行く。
由良のお母さんは、海外にいるらしいから。
お母さん、由良に会ったことないから、驚くだろうなぁ。
由良、美人だから。
お母さんって、可愛い子とか美人な子みたら、人形のように飛びつくから。
ある意味、不安。
すると、由良から電話が来た。
「もしもーし」
「あ、真麻?」
「これ、私の携帯だから、私しか出ないよ」
軽く突っ込みを入れてみる。
「そんなこと、どうでもいいわ」
そんなことらしく、どうでもいいらしい。
ムカつく。