*恋の味[上]*【完】


それから数分後……

「よしっ!完成!」

お母さんは、私たちにピースをして笑った。

「ありがとーん」

「ありがとうございます」

「いえいえー。楽しんできてね」

この台詞を聞くと、なんだか寂しくなる。

お母さんは1人だからかな。


お父さん……お父さんは今、どこで何をしてるの?

お母さんは1人だよ?

1人で病院にいるんだよ?

もう、お母さんを愛してないの?

嫌いだった、お父さん。

ずっと、お母さんと私を捨てたと思ってた。

けど、違うんでしょ?

だって、夢で『幸せか?』って聞いてきたんだよ?

何か理由があるはず。

お母さん……私は、お父さんと会うべきなのかな?

お父さんと話してみるべきなのかな?


私たちは、病室にお母さんをおいて一階におりた。


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