*恋の味[上]*【完】


「真麻のお母さん、凄い人ね。……けど、あーゆーお母さん好き」

よかった。

いくら、お母さんを恥ずかしいと思ったりする私でも、嫌われなくてよかったとは思う。

恥ずかしい一面もあるけど、私はお母さんが大好きだから。

「お母さんも喜ぶよ」

病院の外には、あらかじめ呼んであったのか、それとも待っていてくれたのか、分からないが、外車様がいた。

「やっぱ、外車様なのね」

「ん?何かいった?」

「ううん、何でもないよ」

本気で聞こえてなかったみたいだけど、言ったら怒られそうだもんね。

「そう?さっ、乗るわよ。夏祭りなんて初めて!」

だって、お嬢様が好むような場所・祭りじゃないもの。

ましてや、“超”がつくほどのお嬢様だからね。

私たち、庶民の祭りは、由良たち、お嬢様とってはパーティーだもん。

「湧弥、なんていうかなぁ?」

急に、乙女の顔になる由良。

「絶対、可愛いって言うよ!」

いや、素直に可愛いと思う。

浴衣も乙女顔の由良も。

「だと、いいけど」

由良をダメっていう人、この世にいないと思うよ。

私が生まれてから今までの美人トップ3に入るよ。


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