*恋の味[上]*【完】
「どうしたら、そんな美人になれるんだか……」
「は?何言ってんの、あんた」
いきなりキレだす、由良。
キレる原因が分からないから、とりあえず、
「日本語」
とでも、答えといた。
すると、呆れ顔になり、
「あのねぇ、少なくとも私よりかはモテてるわよ。桜野真麻は」
へぇ〜、桜野真麻さんって凄いんだなぁ……って、
「私?!」
いや、あり得ない。
絶対あり得ない。
100%由良の方が可愛い!
私がモテるって世界おかしい!
「無自覚ね。直接告白される数は少なくても、かなり人気が高いよ?真麻は」
無自覚って、自覚しちゃいけない!
それ以前に、おかしい!
「すっごい人気なんだから。えーっと、近くの彗驪高校(スイリ)でも、噂になってんだから」
彗驪って、彗高か。
確か、鶯譌の次に優秀高。
えー、気持ち悪い。
「真麻、あんた等の噂聞いたことないの?!“学園名物!学年一の美男美女カップル”っての!」
なっ、なんだそれー?!
初めてきいた!
「何それ?!誰が言ったの?!許さない!そんなの雷斗が可哀そうじゃん!」
「どこからその発想がきたの?」
「頭!詳しくは、脳!」
雷斗が美男なのは分かる!超同感する。
けど、美女って。
私と雷斗を一緒にしちゃ、いけないでしょ?
そんな訳の分からない話をしてると、目的地についた。