*恋の味[上]*【完】


「どうしたら、そんな美人になれるんだか……」

「は?何言ってんの、あんた」

いきなりキレだす、由良。

キレる原因が分からないから、とりあえず、

「日本語」

とでも、答えといた。

すると、呆れ顔になり、

「あのねぇ、少なくとも私よりかはモテてるわよ。桜野真麻は」

へぇ〜、桜野真麻さんって凄いんだなぁ……って、

「私?!」

いや、あり得ない。

絶対あり得ない。

100%由良の方が可愛い!

私がモテるって世界おかしい!

「無自覚ね。直接告白される数は少なくても、かなり人気が高いよ?真麻は」

無自覚って、自覚しちゃいけない!

それ以前に、おかしい!

「すっごい人気なんだから。えーっと、近くの彗驪高校(スイリ)でも、噂になってんだから」

彗驪って、彗高か。

確か、鶯譌の次に優秀高。

えー、気持ち悪い。

「真麻、あんた等の噂聞いたことないの?!“学園名物!学年一の美男美女カップル”っての!」

なっ、なんだそれー?!

初めてきいた!

「何それ?!誰が言ったの?!許さない!そんなの雷斗が可哀そうじゃん!」

「どこからその発想がきたの?」

「頭!詳しくは、脳!」

雷斗が美男なのは分かる!超同感する。

けど、美女って。

私と雷斗を一緒にしちゃ、いけないでしょ?


そんな訳の分からない話をしてると、目的地についた。


< 129 / 260 >

この作品をシェア

pagetop