*恋の味[上]*【完】
−雷斗Side−
「雷斗様、おはようございます。朝食の準備ができました」
「………ん゛」
渋々起きると……8時?!
ありえねぇ……。
「雷斗様!」
「……チッ」
メイドとか鬱陶しい。
あの、くそエロ親父が雇ってきやがった。
俺は執事だけで、十分だと言ってるはず。
あんな汚ねぇ女いらねぇ。
そう思いつつ、食堂に向かった。
「あら、雷斗。おはよう!」
なんで、こんなに元気なんだよ。
…………うぜぇ。
「一緒に食べるわよ」
「なんで、こんな早く起こすんだよ?まだ8時だってのに」
「今日遊びにいくんでしょう?」
「あ?祭りなんて普通夕方からじゃねぇか」
まさか……
祭りが昼からだと思ったんじゃねぇよな?
「あら、そうなの」
はぁ?……最悪。
なんなんだよ、この人。
「いつまでいんだよ」
俺は、まだ部屋にいるメイドに声をかけた。
目の前で、ぱくぱく食べてる奴も含めて。
「えっ、あ、すみません!」
メイドは、ペコッと頭を下げて部屋を出ていった。
「こらっ!メイドさんに謝りなさい!」
何が嬉しくて、女に謝んねぇといけねぇんだよ。
俺もメイドに続き、部屋をでた。
♪〜♪〜
次は携帯かよ。
「もっしも〜し」
この声は……
「湧弥……」
「今日、お前ん家いくから〜」
“ブチッ”
は?マジ?
一方的に喋って切りやがった。
なんなんだよ。
俺は、二度寝することにした。