*恋の味[上]*【完】


「わぁ……綺麗」

色とりどりの花火。

「綺麗です……ね?」

アリもん達がいた方をみると、いない。

もういない。さて、どこにいるでしょーか?

………んー、いた。

リンゴ飴並んでっし。

いや、いいの?花火。

花火さん、リンゴ飴に負けましたよ。お疲れさまです。

「な〜に百面相してんだよ?楽しみにしてたんだろ?花火。ちゃんと見とけよ」

しばらく無口だった、雷斗の口が動いた。

楽しみ?別に、そうでもないんだけどね?

ジンクスなんて信じないし。

「私、眠くなってきた」

「はぁ?」

この状況で眠くなる人なんて、極わずかだろう。

仕方ない。眠いもんは眠いのだから。

「……クッ…、お前マジで女じゃねぇな。クックック…」

大笑いしてやがる。

ムキー!

「正真正銘の女だし。もういい、ナンパされにいってくる」

「いや、本気でされるからやめろ。すまなかった」

あ、この技使える。

うふふ……。

ナンパ力最高!

「仕方ないなぁ。許してあげる」

「生意気なっ」

「ナン…「すみませんでした」

Wonderful!


< 138 / 260 >

この作品をシェア

pagetop