*恋の味[上]*【完】
「わぁ……綺麗」
色とりどりの花火。
「綺麗です……ね?」
アリもん達がいた方をみると、いない。
もういない。さて、どこにいるでしょーか?
………んー、いた。
リンゴ飴並んでっし。
いや、いいの?花火。
花火さん、リンゴ飴に負けましたよ。お疲れさまです。
「な〜に百面相してんだよ?楽しみにしてたんだろ?花火。ちゃんと見とけよ」
しばらく無口だった、雷斗の口が動いた。
楽しみ?別に、そうでもないんだけどね?
ジンクスなんて信じないし。
「私、眠くなってきた」
「はぁ?」
この状況で眠くなる人なんて、極わずかだろう。
仕方ない。眠いもんは眠いのだから。
「……クッ…、お前マジで女じゃねぇな。クックック…」
大笑いしてやがる。
ムキー!
「正真正銘の女だし。もういい、ナンパされにいってくる」
「いや、本気でされるからやめろ。すまなかった」
あ、この技使える。
うふふ……。
ナンパ力最高!
「仕方ないなぁ。許してあげる」
「生意気なっ」
「ナン…「すみませんでした」
Wonderful!