*恋の味[上]*【完】


‐雷斗Side‐

あいつ彼氏いねぇんだ。

別に彼氏いたら恨まれるなーって思っただけだ。

しばらくあいつをからかって学校生活を楽しむかなって。

ただ、それだけ。

俺は女が嫌いだ。

金持ちってだけでひっついてくる。

俺は…養子なのに…。

けど、あいつは違った。

俺が暁グループの息子っていうのにべたべたしてこなかった。

いや、あいつは知らなかったと思う。

こんな俺に素をだしてくる女は今までに一人もいなかった。

義父も俺を跡取りのためだけに引き取ったのだから可愛がられたこともない。

そんな俺だから、いつもなら助けたら女に背を向けるだろう。

なんでだろうな、体が勝手に動いてたんだ。

こんな感情初めてだったのかもしれない。


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