*恋の味[上]*【完】
「ったく、だから言っただろ」
「ごめ…んなさい」
「お前可愛いんだからさ、少しでもいいから自覚持ってくれよ」
「ごめ…んなさい」
「いや、もういいから」
「雷斗ぉ〜」
周りから見れば変なカップルだろう。
けど、そんなの関係なかった。
私は目の前にいる、雷斗という人間しか眼中になかったから。
「ハァ…、俺もとことん甘いなぁ」
そう微笑みながら私の頭を撫でる雷斗。
それが幸せで、とても嬉しかった。
私よりも一回り大きい手が安心感をくれたから。
「大好き」
「あぁ」
「大好き」
「……」
「ずっと、ずっと大好きだからね」
人生で最大の告白をしたのは、きっと今だろう。
雷斗は、少し驚いた顔をしたけど、すぐにいつもの優しいときの顔つきに変わって、
「俺も。もうお前しか愛さねぇから。……いや、愛せねぇから」
ていって、私にキスをした。
ちょうど見てなかったけど、その時にハートの花火があがっていた。