*恋の味[上]*【完】


ひまわり幼稚園…ひまわり幼稚園……。

どこだそこ。

「ひまわり幼稚園ってどこにあるの?」

「分かんない」

分かりませんか。

「しほちゃん。お姉ちゃんもね?学校あるから、ちょっと電話するね?」

「うん!」

何この子。めちゃくちゃ可愛い!

目でかいし、まつ毛長い!

可愛い〜って、看護師さん化しちゃってる!

私は携帯をバックから取り出し、学校に電話した。

「もしもし?鶯譌学園の有田です」

出たのはアリもんだった。

ラッキー!

「アリもん?私!」

「あ?誰だぁ?私私詐欺にゃあ騙されねぇよ」

違うの!私だってば!

もー自分の名前が思い出せない!

「えーっと……桜野!」

よし!思い出せた!

「お前なぁ〜、自分の名前忘れてんじゃねぇよ」

ごもっともだ。

いや、そんなこと言ってる場合じゃない!

「あのね、学校遅れるから」

「あ?なんでだ?」

「迷子発見しちゃって、幼稚園まで送ってくるの!」

「んなもん放置でいいだろ」

は?何言ってんの、この人。

それでも教師か?


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