*恋の味[上]*【完】


「おっ桜野。ちょーっと黙ってくんねぇ?で、後で来い」

えー、呼び出しー?

遅刻のことー?

あ、電話のことだったり?

ため息をつきつつも自分の席に座った。

と同時にチャイムが鳴った。

あーあ、早いよチャイムさん。

アリもんのとこに行こうとした途端、

「アリもん、いいです。私が言いますから」

とアリもんに真剣な眼差しで言う由良。

「あぁ、頼んだ」

ら、ラッキー。

「由良ちんオヒサ☆」

「はいはい、お久しぶり。……じゃなくて、アンタどんな神経してんの?!」

どんな神経って…

「こんな神経?」

としか答えられないっしょ?

すると、ハァーとため息をつく由良。

「とにかく!あんまり無神経なこと言ってたら、とって食われるわよ?」

とって食われるぅぅ?!

嫌だ!私は安らかに死んで天国に逝って、肉体は焼いてもらうんだい!

「何考えてんのか分かんないけど、多分違うわよ。襲われるってことよ!」

なるほど。襲われるのか。

それは危険だ!

「今の男の時代は“ハーレム”なのよ!」

ビシッと指先を立てる由良。

「了解ッス!先輩!」

はたからみたら変人だろうな。


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