*恋の味[上]*【完】
「特に、転校生が危ないのよ!あの身だしなみに口調!っていっても、口調はアリもんとか暁とかと変わらないんだけど……。とにかく!危ないのよ!奴は!アンタ可愛いんだから!気をつけなさいよ!」
「は……はぁい」
マシンガントークでたよー。
半分聞いて、半分は反対側の耳から出たよ!
「何話してんのー?」
元気な千年くんと、眠そうな雷斗。
真反対の性格がマッチしてるところがすごい。
「忠告してたの!」
えっへん!とでも言うように応える由良。
「ゆっちゃん……」
苦笑いする千年くん。
ここも真反対のマッチ!
「ってことで、チャイムなるからバイバイ」
え、いい逃げかよ。
「じゃ、俺も帰ろーっと!」
「………」
まだ眠いんかい!
「バイバイ」
んー、要するに倉橋くんに気をつけろってことだよね?
話してみないと悪い人か分かんないじゃん!
席が隣だし、ちょうどいい!
……そんな考えをした自分が馬鹿だった。