*恋の味[上]*【完】
「倉橋くん、教科書とかある?」
「………」
無視ですか。
本当に頭いいの?コイツ。
まっまさか、脅したんじゃ?!
あ、倉橋くんの見た目はというと、肩くらいまであるストレート金髪に右3左2のピアス。第二ボタンまであけて着くずしている。
まさに“不良”があう男。
「ねぇ、教科……「うるせぇ」
あぁん?うるせぇだと?
おいおい兄ちゃん、言っちまったなぁ?え?
「倉橋くん?」
キレてるのに笑顔で言う私。
つまり、口が笑っているのに目は笑っていない状況だろう。
「んだよ?」
やっとこっちを向いた奴。
見たと同時にひいている。
「んふふ……教科書ある?」
今の私は、おそらく“不気味”があう女だろう。