*恋の味[上]*【完】
不安
−雷斗Side−
「どういうことだよ?!」
怒りに狂う俺。
怪訝そうに倉橋を見る、真麻と湧弥と松川。
意味分かんねぇ。
なんでこんな会って間もない奴に言われねぇといけねぇんだよ。
「まだ知らねぇわけか」
余裕をもたらすコイツに腕の力を強める。
もう、時間なんてどうでもよかった。
「離してくんねぇ?」
んだよ…。何があんだよ。
何が俺らに別れを告げてんだよ。
やっと幸せを得たのに…。
こんなに早くなくなんのかよ?
ふざけんじゃねぇ。
「お前はっ何を知ってんだよ?!」
「さすがじゃねぇか、頭はいいようだな」
「んなこと聞いてねぇ!」
怒鳴る俺の周りには、授業中だと言うのにいろんな奴が集まっていた。
先生も俺らを引き離そうとする。
「いつかは知る。今は言わねぇ」
「………!」
いつかって何だよ?!
そんなやり取りをしてると、
「いやーーー!」
真麻の声が響き渡った。