*恋の味[上]*【完】


「な、にを…言ってるの…?」

更に顔を引きつらせる私。

「真麻、私は暁雷斗くんと付き合うことに反対よ」

初めてできた彼氏。

反対されるなんて思っても見なかった。

「冗談……でしょ?」

冗談じゃないことくらい分かってる。

だって…

「本気よ」

お母さんの目が本気だから。

そんなことに嘘はつかないから。

「な……んで?…なんでよ?!」

聞きたくなかったけど、勝手に口が言ってた。

「…っ……お母さんの口からは言えない」

「………っ」

話についていけない。

“ガラッ”

突如開いたドア。

「俺が話します」

そこには、雷斗・由良・千年くん。

「えぇ、お願い」

大嫌いな倉橋くんがいた。


「話したくない」

「真麻!」

話したくもない。

なんで、大嫌いな奴と話なんかしないといけないのよ!

「こないでよ!帰って!」

気がつけば、勝手に足まで動いてて…

“パシッ”

「アンタなんかと!話すこともない!」

頬を叩いていた。


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