*恋の味[上]*【完】


「今あなた、すごく切なげな表情よ?何があったのかは分からないけど、後悔しないようにしなさいね?」

しほちゃんママ……。

その通りだよね。私、これから聞くことを恐れないよ。しっかり受けとめる。

正直、聞こうか聞かないどこうか悩んでた。理由を聞くのが怖かった。でも、逃げてばっかじゃダメなんだよね。

もう、最強の親子だ!

「しほちゃん!笑顔ありがとね?しほちゃんママ!私がんばってみます!ありがとうございます!」

「お姉ちゃんダイスキー!」

「役に立てたなら嬉しいわ」

私は満面の笑みを返すと、

「その笑顔だよ!」

「今の笑顔、輝いていたわよ」

と言ってくれた。

まだまだ子供だな、私。しほちゃんに助けてもらっちゃった。しほちゃんママも。会って2かいなのに、すごく迷惑かけたなー。たくさんの勇気もらったなー。と思う。

「あ、しほ行かないと!お姉ちゃんバイバーイ」

「バイバイ」

しほちゃんたちの手を繋ぐ後ろ姿をみると、胸がキューっと狭くなった。


< 166 / 260 >

この作品をシェア

pagetop