*恋の味[上]*【完】
それにしても、中までいい匂いするなー。
普通の喫茶店みたいな感じだけど…。
大人が多いな。私の年頃の子はあんまりこないのかな?
美味しそうなのに…。
周りを見渡していると……、
「え……」
お、と…さん?
なんでお父さんが…?
私より少し離れている席には夢で出てきたお父さんと顔が凄く似ていた。
いや、そっくり。
「あっ」
お父さんがっ帰っちゃう!どうしよっ!?
「〜〜っ」
耐えられなくなった私は近くの店員さんに、「すみません!注文キャンセルで」と告げた。
ごめんね、店員さん困ってたし。
私はお父さんを追いかけた。