*恋の味[上]*【完】
来た場所は、大好きだった公園。
この公園は、昔仲良かった子とよく遊んでた。
もうその子は引っ越しちゃったけどね。
懐かしげにブランコに手をかけ、座った。
ブランコでよく遊んだなー。
お母さんが入院して……寂しかったときに男の子と女の子の2人が話しかけてくれたの、今でも覚えてる。
「あれ〜1人?俺らと一緒に遊ばない?」
またナンパ?
少し俯いてた顔をあげるとチャラチャラした男が2人いた。
「もう帰るし、彼氏いるんで」
そう言って立ち、スカートについた砂を払うと、家の方面に足を運ぶ。
「え〜、少しだけだからさぁ」
しつこいなぁ。無視しとこ。
「無視〜?あんまり酷いと無理矢理つれてくよ?」
痺れを切らしたのか、少し口調が変わり、手を掴んできた。
私も負けじと手を払い、低めの声で、「警察追放しますよ?」と言った。
男どもの血相が変わり、私の手をもう一度掴んで思いっきり引っ張った。
「いいから来いっていってんだよ」
「……っ離して!」
この公園小さいから、人がそんなにいない。
やだっ……ヤバイ…!
“ドカッ”
「ってぇ!何すんだよ?!」
「人の彼女に触るのやめてくれない?」