*恋の味[上]*【完】
「マジいてーし。お前が教えろっつったんだろーが」
あれ……?まさかのマジギレモード?
んー、こりゃあやってもったなー。
「あんなやりかたはないと思う!」
うん!そうだよ!
「どんなやり方でもいいっていっただろ?」
う゛……。
言われてみればそうだけど……。
「私は納得いかない!」
いくわけないでしょ。
キスで分かるなんて、どんな超人だよ。
すごすぎて尊敬します。
「別に納得しなくてもいいし」
納得しなきゃダメでしょ。
納得するためにこんな行為をしなければならなくなったのだから!
はー……。
エロいのかエロくないのか分かんない。
なんてゆーか、時によって違うみたいな?
「もーいいよ」
ここは一歩引いてあげる。
「そういえば、親御さんらいいのか?」
おい、思いっきり話そらしたな?
ま、いいけど。
「話すべきでしょ。もう離れないんでしょ?だったらどんな辛いことでも乗り越えれるよ!」
なんて格好つけるけど、本当は不安。
でも、いつまでも甘えれるわけじゃない。
自分で決めた道くらい、貫き通さないと。
「そうだな…。俺らなら大丈夫だよな」
安心したように私の頭を撫でる雷斗。
「……うん!」
満面の笑みで返す。
それは自分に対して向けたようなもん。
「ばっ……そんな顔向けんな!」
そういって顔を片手で覆いながら、もう片方の手で私の肩をおし、遠ざけようとする。
指と指の隙間から見える顔は、なんか赤いみたいだけど…。
って、そんな顔?!変な顔ってこと?!
………ガーン。