*恋の味[上]*【完】

過去



『しょーくん!まってよぉ〜』

『いーや!まーちゃん遅いの』

これは……?

『キャハハ!たのしーね!』

『ぼくも〜!』

小さい頃の……

『ぼくね、まーちゃんがだいすき!』

『あたしもしょーくんがだいすき!』

私と翔……。

『じゃあー、あたしとしょーくんは“ふうふ”だね!』

『ふうふ?』

懐かしい……。

『ふうふはねー、ママとパパみたいな人のことだよ!』

『ぼく、ふうふになる〜!』

5歳くらいかな?

『やくそくね!』

『やくそく〜!』

『『ゆ〜びき〜りげ〜んま〜ん、う〜そつ〜いた〜ら、は〜りせ〜んぼ〜んの〜ます!ゆ〜びきった!』』

あの頃の笑顔は偽りなんかなくて……

『けっこんしなくちゃ!』

『けっこんするの〜?』

すべてが楽しくて……

『ずっといっしょになるならね〜』

『なるなるなる〜!』

可愛い思い出だった。


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