*恋の味[上]*【完】
『なぁ真麻。その“しょーくん”ってどんな奴なんだ?』
『えーっとー…やさしくてかっこよくてー、いけめん!』
『…くっ……パパが認めたらいいぞ』
『ふふ、空真は大人気ないわね。あと、真麻。“かっこいい”と“いけめん”は一緒じゃなあい?』
『あ、つけめんだった!』
『それも違う!』
“家族”に罅なんかなくて……
『真麻はパパが好きじゃないのか?』
『ぬ?すきだよ?』
『空真!』
『だったら結婚なんかしなくていい!いや、しちゃダメだ!』
『えっ?!けっこんしちゃダメなの?!知らなかった!』
『いやいや真麻、していいのよ?パパは嘘つきなの』
『パパがうそつき?!うそつきはどろぼうだよ?!あたしパパきらいにならないと!』
『麻美!…真麻、嫌いになったらダメだぞ?』
『キャー!うそつきだー!』
綺麗な形だった。