*恋の味[上]*【完】
すると……、
“ガラッ”
突然ドアが開いたと同時に……、
「お前……」
驚いた顔をしている、お父さんがいた。そして、すぐに顔を歪めた。
ねぇ。どうしていつも、こんなにも……タイミングが悪いの?
……これも試練の1つなの?
神様はどこまで私に試練を与える続けるの?
もういいでしょう?
これでまた……お父さんと雷斗が傷つく結果になる。
どうして?
そんなに私が嫌だったんなら……っ、あのまま殺せばよかったじゃない。
あのまま……、みんなが私を忘れる時間(トキ)を作ればよかったじゃない!
なんで……っ、なんで……っ!
悪くもない母を殺し、悪い私を殺さないの……っ!?
私が生死を彷徨っていたとき、お母さんの方の世界に連れていかなかったの……!?
連れていってくれなかったの!?
もう私には、人を傷つける心しか残ってないのに……っ!