*恋の味[上]*【完】


「じゃ、邪魔者は退散退散〜」

お父さんが苦笑いしながら病室のドアを開けようとした。

「待って!」

私はまだ……、お父さんと……、

「お父さんはどうするの?」

会えなくなるの…?

そんなの嫌。

この1年間、1年前はお父さんのこと、何も知らないのに嫌いだった。

でも、1年後には大切な家族の一員として考えれる様になっていた。

今となっては、昔の自分が凄く馬鹿だったなって思う。

「俺は…」

考えてなかったように頭を掻く。

だったら…、

「一緒に暮らそう!」

そう言うと、お父さんは目がとびでるくらいあけて、すぐ目を閉じて、手で目を覆った。

「お父さん…?」

すると手を下ろした。

目には軽く涙が浮かんでて、凄く優しい笑顔で、

「ありがとう」

と言ってくれた。

……っ!

ありがとうはこっちのセリフだよ……。

「ばぁか、何泣いてんだよ」

私、また泣いてる…。

「お父さんの所為なんだから!」

「えっ、俺?!」

幸せな日々になるんだね……。

嬉しくて3人で笑い合った。


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