*恋の味[上]*【完】
「よーい!」
“ピー”
笛のなる音と共に、男子は目の色を変えて走る。
なんとゆーか…単純。
今のところ、トップを走るのは……千年くん。
だんとつ1位……。
ええっと…暁くんは……ん?……いない?!
私は辺りを見渡してみると……いたいた。どこにって?見学。
「ちーくん頑張れー!」
千年くん人気〜!ヒューヒューって言いたい。
ってか、応援していいのか?女子。
「はい、千年ゴール!」
あ、終わっちゃった。
うん、あまり意味のない1位でしたね。
「アリもーん!俺、あさちゃんと実行委員だよねー?」
あさちゃん?あさちゃんあさちゃん……あ、私か。
……ぐふふ、可愛いあだ名。
「ん?変えるわけないだろう。あれは決定事項だ」
「えぇぇ?!だってアリもん、あさちゃんとさせてくれるって言ったじゃん!」
「ん?あれか。俺は最後に「かもな」って言ったぞ?」
「俺きいてないし!」
「言った。なぁ?桜野」
え?!私?!
「えっ………あっと……」
「ほらな?」
「戸惑ってんじゃん」
「そうか?」
「そうだろ!あー俺の努力がー!」
アリもん……やはり鬼だ。