*恋の味[上]*【完】


“キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン”

チャイムがなると同時に、みんなは自分の席に座り始める。

「みんな、おはよう。今日は、さっそく競技分担の発表をします!実行委員、紙はここにあるから、前に出て発表してくれ」

実行委員……私か。

席を立つと教卓へ向かう。隣に暁くんがいることを考えると、なんかくすぐったい。

「えー、じゃあ最初に100M走から発表します。〜〜〜〜………」

発表は暁くんがしてくれるから、私は黒板に分担をかいた。

私の書くスピードに合わせてくれる何気ない優しさ。

表だけだったら紳士なのにな…。

「色別リレーとクラス対抗リレーの選手は、早い人から決めました。呼ばれた人は両方でてもらいます」

え……あたし1位だったから、もしや………!

「女子、松川・桜野。男子、千年・俺?!」

いやいや、私?!だよ。

でも、あのとき暁くんは走っていない……。どういうこと?

「これも決定事項だ。文句なし!苦情なし!だ」

文句も苦情も言わせてください!

も〜最悪。


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