*恋の味[上]*【完】


「次200Mって私等の倍かぁ。誰でるっけ?」

「あんな女子がいるってことは暁でしょ」

どうやら、由良の情報は当たったようで、暁の追っかけだった。

「暁くん頑張ってぇ!」

「暁くーんっ!こっち向いてぇ!」

強烈ーっ!

「見てみる?」

「こっからでいいでしょ?」

ファンもいることだし。

暁はラストで、千年くんはラストから2番目だった。
始まると共に、鼓膜が破れるくらいの声をだす。

声というよりも、もはや“奇声”。

結果、2人とも圧倒的差で1位。

恐るべしだよ……。


「次、障害物じゃん!由良いこ?」

「………はぁ、仕方ない」

うん、私もだからね。

障害物競争って疲れるんだよね。

まずは、跳び箱前転。次に、ハードルぐくり・側転・なわとびと続く。

けど、他よりかはマシ。

借り物もいいなって思ったけど、生徒が作るから、ろくなのがないに決まってる。

「由良頑張ろうね!」

「そればっかり」

クール!!!


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